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アート作品の魅力
2024.06.26
福祉・学校全般
『この子らを世の光に』
これは、障がい福祉の父と言われる糸賀一雄氏の言葉です。
重度の障害があり、上手く言葉にしたり表現したりすることが難しくても『立派な意志があり、意欲があり、自己主張がある』彼らは『外界を媒介として自己を実現しようと』(糸賀一雄著『福祉の思想』p.107)働きかけていて、彼らの持つ生命力や喜びの感情を私たちが感じる時、気持ちが動かされるのです。
私達の身近ではアール・ブリュットがその代表ではないでしょうか。
アール・ブリュットとは、フランスの言葉で芸術の教育を受けずに作り出されるアートを指し、『生(き)の芸術』という意味です。
アール・ブリュットの作品展などの活動は、大小さまざま全国で行われています。
私どもジェイアイシーセントラルもその作品展に協力させていただき、毎年たくさんの感動をいただいています。
今では、アート作品を生み出す方達の作家活動をバックアップされている福祉事業所が数多くあります。
私が担当させていただいている福祉サービス事業所が運営するカフェには、ポストカード・マスキングテープ・Tシャツなど、アートを使った色とりどりで独創的な商品が並べてあります。
その商品の作家であるAさんたちは、日頃は厨房のお仕事をしています。
私はそのカフェへ食事に行った際、数枚のポストカードを購入しました。
綺麗な色の野菜、カフェの定食、輪切りのレモンなどの数枚を選びました。
会計を済ませると職員の方が『是非ポストカードを描いた本人に会って行って!』とおっしゃったので、作家Aさんと直接お話しすることができました。
私: こんにちは。ご飯おいしかったです!
Aさん: おいしかった… おいしかった…
職員: 名刺お渡ししてくださいね。
Aさん: (名刺を差し出す。)
私:絵がとても素敵です。この絵はお客さんにあげるのに買いました。これからも頑張ってください。
Aさん:静かに「うん。」と頷く。
Aさんはあまり話すことができず、日常の会話も難しいのではないかと感じました。
しかし、言葉の表現は苦手でもAさんは絵で自分を表現する事ができるのです。
細い軸のペンを使った繊細なラインに、水彩絵の具の淡い色使い。
彼の穏やかな心のフィルターを通して描かれる優しい絵。
糸賀一雄氏の言葉を借りると『天衣無縫な、自由な、自分自身のありのままを出すことができる能力』(糸賀一雄著『福祉の思想』p.41)があり、彼の生活の中で培われたものがそのまま表現されていると感じます。
優しい彼の絵を見るととても癒されるので、お忙しい方は心の鎮静効果がありますのでおすすめです!※私は仕事中に眺めています。
引用:糸賀一雄著「福祉の思想」1968年
最近のアート作品で一番に心を奪われたものを紹介します。
スーツの裏地がなんと、障がいのある方々が描いたアート作品というものです。
世の中には大人の遊び心をテーマにしたメンズブランドは数多くありますが、このスーツほど遊び心と粋を感じるものは他に無いと思います!
このオーダースーツの話を聞いた時に、どんな仕上がりになるのかとても楽しみでした。
御三方それぞれの個性が出ていて、『なぜこのアートを選んだのか?』『このような柄が趣味なんだな。』と色々創造できて楽しかったです。
※両側はAIG社員の方、中央は当社代表です。
このスーツを着た日はどんな気分なのでしょうか?
相手には見えないところに秘密があるようでワクワクしますね。
ビシッと着こなすスーツの裏にはポップな仕掛けが隠されているというギャップが素敵です。
これから、そのスーツを着た人を媒介して、作家さんの持つ光が色んな人に届くのですね。
このスーツを着た日は、頻繁に内ポケットからものを出すフリをして、たくさんの方に見てもらってください。
スーツのお問い合わせ:『仕立て屋Kuros.』様
ホームページ:https://kuros202208.com/
Instagram:https://www.instagram.com/kuros.yusuke_kuroki/
執筆者プロフィール
福祉営業部 カサモト アサミ
ビジネス小物やスーツを見るのが好きです。
私もオーダースーツを着てポップな裏地でワクワクしたいです!