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災害時の福祉支援

2024.02.28

福祉・学校全般

2024年1月1日に発生した令和6年能登半島地震により、お亡くなりになられた方々に謹んでお悔やみを申し上げますとともに、被災された皆様へ心よりお見舞い申し上げます。

震源地から100km以上離れた金沢市にある当社の北陸長野支店でも、断水や食器棚が倒れる、天井が抜けるといった損害があり、今回の地震がいかに甚大なものであったかを肌で感じました。

被災地の皆様の安全と、能登半島の雄大で美しい里山里海の風景が一日も早く取り戻されることを、心よりお祈り申し上げます。

報道を見ていると、地震発生から2日後の1月3日に『全国各地のDMATが被災地に到着』という報道がなされておりました。

DMAT(災害派遣医療チーム)とは

isaster edical ssistance eamの略
医師、看護師、業務調整員(医師・看護師以外の医療職及び事務職員)で構成され、大規模災害や多傷病者が発生した事故などの現場に、急性期(おおむね48時間以内)から活動できる機動性を持った、専門的な訓練を受けた医療チーム。

阪神・淡路大震災をきっかけに平成17年に発足しており、災害時の医療チームとしてご存じの方も多いかと思います。

参照:DMAT事務局|DMATとは (dmat.jp)(2024年1月5日)

金沢市内でも能登半島へ向かう自衛隊や消防の車のほか、DMATの車を目にすることが度々あります。
また、下記のニュースを昨年11月に目にしたことで初めて知ったのですが、福祉に特化した災害時の支援チームがあります。

WAM NETニュース『災害時の福祉支援確認 関市で「岐阜DWAT」が実地訓練 避難者受け入れ、意見交わす』
https://www.wam.go.jp/newsPublic/public-detail?newsno=1522(2023年12月28日)

DWAT(災害時派遣福祉チーム)とは

Disaster Welfare Assistance Teamの略
災害時における、長期避難者の生活機能の低下や要介護度の重度化など二次被害防止のため、一般避難所で災害時要配慮者(高齢者や障がい者、子ども等)に対する福祉支援を行う民間の福祉専門職(※)で構成するチーム。
(※)福祉専門職:介護福祉士、介護支援専門員、社会福祉士、看護師、理学療法士、精神保健福祉士、保育士、その他介護職員等

平成30年5月には、地震や台風等による多くの自然災害が各地に甚大な被害をもたらしたことを受け、厚生労働省から各都道府県における「災害派遣福祉チーム」の組成等、災害時の必要な支援体制の構築を目的とした災害時の福祉支援体制の整備に向けたガイドラインが示されました。

参照:大阪府『大阪府災害派遣福祉チーム(大阪DWAT)の設置について』
https://www.pref.osaka.lg.jp/chiikifukushi/ddwatto/index.html(2023年12月28日)

日本大震災をきっかけに岩手と京都で独自に設置されたのが始まりで、2016年の熊本地震で初めて出動し、2018年の7月豪雨災害や2019年の台風19号などでも活躍。
現在DWATを設置しているのは40都道府県、登録している専門職は約6,000名。

参照:福祉新聞『災害福祉中央センター創設 支援体制強化へ〈厚労省〉』
https://fukushishimbun.com/topics/27232(2023年12月28日)

DWATについて知り、「このような災害時支援があるのか!」と驚きました。
災害時の支援として今までイメージしていたのは、炊き出しや、瓦礫や土砂の撤去、医療支援等だったためです。

私自身、災害時の備えとして一通りの防災用品を備えてはいますが、自分が高齢になった時や障がいを抱えていることを想定してみると、追加で備えておくものが必要であることはもちろん、「避難所はどんなところだろう」「長期間滞在できないのではないか」「病気等の症状が進行してしまわないか」と心配は尽きません。

2011年の東日本大震災において、障害者手帳を持つ方の死亡率が全住民の死亡率の2倍に上ったことを見ても、当時、障がい者や高齢者の方が必要な支援を十分に受けられなかったことがうかがえます。

参照:NHK福祉情報サイト https://www.nhk.or.jp/heart-net/topics/19/(2023年12月28日)

2018年の西日本豪雨における、岡山県のDWATが実際の活動の様子が『内閣府防災情報』で報告されていました。

災害時の福祉支援体制の構築と災害派遣福祉チーム(DWAT)の活動状況等について
https://www.bousai.go.jp/taisaku/hisaisyagyousei/pdf/2kai_3.pdf

〇岩手や青森DWATからの派遣協力
〇DWATの構成状況
〇ネグレクト傾向のある高齢者の発見から、福祉サービス利用へつなげるまでの経緯
〇避難所内での視覚障害がある方の付添
〇他業種との連携
〇避難所内での「何でも相談室」の開設

13ページ以降の岡山県社会福祉協議会の活動報告では、上記のように避難所での多岐にわたる具体的な活動について記されており、避難所における災害時要配慮者の方の苦労や、その方々へ対する福祉面からのサポートの必要性を強く認識しました。

DWATと同様に、災害時の支援チームとしてDPATがあります。

DPAT(災害派遣精神医療チーム)とは

Disaster Psychiatric Assistance Teamの略
自然災害や犯罪事件・航空機・列車事故等の集団災害が発生した場合、被災地域の精神保健医療機能が一時的に低下し、さらに災害ストレス等により新たに精神的問題が生じる等、精神保健医療への需要が拡大する。このような災害の場合には、被災地域の精神保健医療ニーズの把握、他の保健医療福祉体制との連携、各種関係機関等とのマネージメント、専門性の高い精神科医療の提供と精神保健活動の支援が必要である。
このような活動を行うために都道府県によって組織される、専門的な研修・訓練を受けた災害派遣精神医療チームが DPAT である。

参照:厚労省『災害派遣精神医療チームの活動要領』
https://www.dpat.jp/images/dpat_documents/2.pdf(2023年12月28日)

DWATが災害時における福祉の専門家による支援チームであるのに対し、DPATは精神医療に特化した心のケアを行う支援チームです。
DPATは熊本地震のほか、新型コロナウイルスのクラスターが発生したダイヤモンド・プリンセス号でも活動したようです。

アルファベット表記で似たチーム名が多いですが、以前DPATの活動に携わっている方から。

「支援内容が分かりやすいように『精神』『心の』等と掲げて活動をしていたが、避難所のように他人が密集している場所では周りの目が気になるためか、相談が少なかった。
そこでゼッケンに表記するチーム名をアルファベット表記にして声がけを丁寧に行ったところ、多くの相談が寄せられた。」

とお聞きしたことがあります。

避難所のような非日常な場での心や体に関する相談は、活動内容を大々的に掲げることが良いとは限らない、というのは目から鱗が落ちる思いでした。

令和6年能登半島地震でのDWATの活動状況を調べると、1月18日時点で県外のDWATが多く能登半島の避難所で活動をしてくださっており、今回が初の派遣となったDWATも多いようです。

今回の地震によって、防災用品や火災保険等を見直された方も多いのではないでしょうか。

ご家庭や法人の保険の補償内容は自然災害に対応できるものかどうか、あらためてしっかりご確認いただければと思います。

 

福祉営業部 北陸長野支店 百瀬

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