ジェイアイシーセントラル株式会社

MENU

NEWS&
COLUMN

ニュース・コラム

decor

お役立ち情報

始まります!インボイス制度

2023.03.29

経営全般

みなさん、こんにちは。

今回のテーマは、令和5年10月1日から開始される消費税に関する制度、正式名称『適格請求書等保存方式』、いわゆる“インボイス制度”についてです。
※消費税を支払っても、納税することがない多くの会社員には関係ないとは思わず、見ていきましょう。

インボイス制度とは

今年の10月1日以降、個人事業主・フリーランスの方々(法人含む)は、消費税の取引ができる(受け取れる=消費税を納める)課税事業者、それとも消費税の取引ができない(受け取れない=納めない)免税事業者のいずれかを選択ができることになります。
そして、課税事業者になると、毎年行っている確定申告で、所得税の申告に加えて、消費税の申告が必要となり、そのためには、9月30日までに税務署に適格請求書発行事業者の登録を申請し、その登録番号の取得が必要となります。

ということは、課税事業者になると消費税の納税義務が発生することになります。

しかし現在、個人事業主・フリーランスで、消費税の課税対象となる年間の課税売上高が1千万円以下の免税事業者は、お客さまから預かった消費税を国へ納税しなくても問題はありません。

ただし今後、免税事業者の方は、消費税を納めない代わりに、消費税を請求できなくなるのです。

それはつまり、10月以降に個人タクシーや個人経営のラーメン屋さんなどは、課税事業者にならないとお客さまに消費税を請求できなくなり、売上・収入が減るということになります。

一方、前々年の課税売上高が1千万円を超える課税事業者は、消費税の申告や納付を行う必要があり、売上げで受け取った消費税から仕入れで支払った消費税を差し引く『仕入れ税額控除』をして差額分を国に納めています。

これは、事業者(法人・個人)が納税する消費税額を計算する際には、事業者ごとに納税をすることで重複して税金が納付されることを防ぐため、仕入れに伴い支払った消費税額は売上に伴い受け取った消費税額から控除(仕入税額控除)することができます。

〇消費税の計算イメージ 

売上税額(受け取った消費税)- 仕入税額(支払った消費税)= 納税額 ← 仕入税額控除
商品価格:100万円 + 消費税:10万円 = 110万円で販売
商品仕入価格:90万円 + 消費税:9万円 =  99万円で仕入れ
売上消費税: 10万円 - 仕入消費税:9万円 = 納税額:1万円

このように、本来納めるべき消費税10万円が1万円に差し引けるので、消費税の負担が軽くなります。
しかし今年の10月以降、商品仕入業者が免税事業者の場合は消費税9万円は支払うことがなく、納める消費税は10万円となります。
そうなると、仕入額控除の対象とならない免税事業者は、取引先として選ばれなくなる可能性も出てきます。

さらに、会社員が会社経費で使うタクシーや飲食店が免税事業者だったとすると、会社へ経費精算する際に『これからは、課税事業者のタクシーや飲食店を利用してください。』なんて経理担当者から言われてしまう可能性も…
※個人がプライベートで、免税事業者を利用することには、何ら問題はありませんが…。

今後、タクシーや飲食店の入り口には『インボイス対応店』なるステッカーなどが張り出されて、うちの店はインボイスに対応していますよと、コロナ禍の時と同じくアピールする日が来るかもしれませんね。

また免税事業者は消費税は請求できませんが、仕入先や取引先が課税事業者の場合、消費税を支払わなければなりません。よって、消費税を受け取っていないのに消費税を支払うことになり、仕入額控除のメリットが使えなくなるだけでなく、収入そのものも減ってしまうということにもなります。

コロナで未曽有の経験をした飲食店をはじめ、様々な業種の個人事業主・フリーランスの方々にとっては、その選択が非常に難しいところではないでしょうか。
※免税事業者を選択しても、その事業内容や取引先次第ではその影響が少ないケースもあります。

ただし個人事業主・フリーランスの方々は、社会保険に加入の会社員に比べ、福利厚生や病気やけがで仕事を休まなければならなくなった時の休業補償や老後の年金等をご自身で準備しなければその後の生活に不安が残る可能性もありますので、『生命保険料控除』や『小規模企業共済等掛金控除』、『寄付金控除(ふるさと納税)』なども上手に活用してご準備ください。
※生命保険料控除には、①生命保険 ②介護医療保険 ③個人年金保険の3種類があり、その内③個人年金保険の控除をご存じでない方も意外と多くいらっしゃるので、ぜひ当社ホームページなどからもお気軽にご相談ください。

最後に、インボイス制度に関してはとかく目の前のお金中心の話題に陥りやすいですが、個人事業主・フリーランスの方々は確定申告での所得や納税などによって『社会的信用』を得ているということを忘れてはなりません。

それは、住宅ローン・自動車ローン・教育ローン(教育資金)等の申込みでは『この方には支払い能力があるのか?』の判断に、所得証明や納税証明が非常に重要なポイントになるということです。

みなさんや周りの方にインボイス制度の対象となる方がいらしたなら、課税事業者・免税事業者のどちらを選択するのか、単に目の前のメリット・デメリットだけでなく、将来的な展望も視野に入れながらしっかりと考えていただければと思います。

そして確定申告の必要がないみなさんも、この機会に分かっているようでよく分からない『税金』について、少し目を向けてみてはいかがでしょうか。

※今回は、インボイス制度の概要をお伝えしたにすぎません。適格請求書(インボイス)のフォーマットや、簡易課税、軽減税率、インボイス制度の特例なども業種によって適用になることなど、事前に確認しなければならないことは多数ありますので、必ず所在地の税務署、国税庁や財務省のHPや、顧問税理士さんへお早めにご相談ください。

参考:国税庁HP
インボイス制度の概要|国税庁 (nta.go.jp)

参考:財務省HP
インボイス制度の改正案について : 財務省 (mof.go.jp)

 

執筆者プロフィール

福祉営業部(静岡営業所) かつまた あきら
静岡県御殿場市出身  静岡市在住
健康のため15年ぶりに再開した “ ゴルフ ” をスコアだけにとらわれず、のんびりと楽しんでいます。

CONTACT

お電話でのお問い合わせ

0120-758-625

[受付] 9:00〜17:00 (土日祝日・年末年始を除く)