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ノーマライゼーション

2022.08.31

福祉・学校全般

みなさん、こんにちは。
北陸長野支店の笠本です。
私の入社当時の25年前から今まで、知的障がい者をとり巻く環境は随分変わりました。
今回はその変化のポイントとなる『ノーマライゼーション』について触れたいと思います。

措置制度からノーマライゼーションへの動き

現在の福祉制度の仕組みに至るまでには数々の制度改定や法律の制定がありました。
まずは措置制度が2003年に支援費制度に移行し、戦後50年間続いた福祉制度が激変することになります。
これにより、障がい者本人の自己決定を尊重し、施設やサービスを自分で選べるようになりました。
また契約制度が始まり、事業者と利用者が対等な関係となったことは大きな変化といえるでしょう。

そういえば措置の時代に保護者のみなさんが指導員の方を『先生』と呼んでいらっしゃったのですが、今とは違う関係性だったのかもしれませんね。
私も先代(当社の会長)に教わり、保険担当の職員のみなさんを『先生』と呼んでいた時代です。

2006年にはこの制度を基に『障害者自立支援法』が施行、2013年には『障害者総合支援法』に改定され、支援費制度導入の基となるノーマライゼーションの理念をより社会に浸透させていく内容となりました。

参考:『障害福祉施策の動向について』 令和元年度 厚生労働省 社会・援護局 障害保健福祉部 企画課
https://www.mhlw.go.jp/content/12200000/000551396.pdf (2022/07/20)

ノーマライゼーションの実現に向けて

ノーマライゼーションとは、元々はデンマークで知的障がい者の入所施設での生活を正常化・改善するための取組みから提唱された理念です。
厚生労働省は『障害のある人が障害のない人と同等に生活し、ともにいきいきと活動できる社会を目指すこと』と紹介しています。

ノーマライゼーションの推進に向けて福祉サービス体制や事業の形態に変化が現れました。
以下は、私が営業をしながら感じていた変化の一部です。

・大型入所施設をグループホームに移行する動きが多く見られた。
・街中に福祉サービス事業所が増えた。
・地域での暮らしを可能にするための細やかなサービスが充実した。
・障がい者の働く場所が増えた。
・重度の障がい者や医療的ケアが必要な障がい者が地域の通所施設でサービスを受けられるようになった。

国が制度を推進し、このように障がい者が地域で生活するようになると、次は受け入れ側の整備が必要となります。

参考:パンフレット『支援費制度がはじまります』 厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部 障害福祉課
https://www.mhlw.go.jp/general/seido/syakai/sienhi/panf/dl/panf2.pdf(2022年7月20日)

合理的配慮について

ノーマライゼーションの理念のもと、障がい者のサービスは地域移行が進みます。
それと同時進行で、行政や企業などの受け入れ側の準備が始まりました。
この頃は警察官など行政の方々があちこちで研修を受けていらっしゃったことを思い出します。
そして2016年障害者差別解消法が制定され、国は障がい者に対しての「合理的配慮の提供」を行政や企業に求めました。

合理的配慮とは、「障がい者が手助けを求めた際に、できる範囲で対応する」ことです。
そしてこの法律は「みんなで障がい者を同じ社会に暮らす一員として受け入れる共生社会を目指す」ことを目的としています。

現在の福祉制度の整備により地域で暮らしやすくなり、移行も進みましたが、地域で暮らすことを望まない人もいます。
ノーマライゼーションの理念では、「自己決定の尊重」にも重きを置いています。
地域移行は強制ではなく自分の意思で選択できます。
重度の障がい等で自己決定が困難な方にも意思決定支援という仕組みが準備されています。
せっかくの人生、どんな障がいがあってもみんなが少しでも多くの幸せを感じられる選択ができることを望みます。
そしてノーマライゼーションの理念が社会に浸透し、障がい者を特別視することなく包み込める社会が理想です。

以前あるNPO法人の理事長が『周りに能力を補える人がいて、その方がその組織の一員として問題無く過ごせているなら、もうそれは障がいとは言わないんだよ。』と私に話してくださいました。
社会が包み込むというのはこういうことなんだなと感じた言葉でした。

参考:内閣府 障害者差別解消法リーフレット『合理的配慮を知っていますか?』
https://www8.cao.go.jp/shougai/suishin/pdf/gouriteki_hairyo/print.pdf (2022年7月20日)

みなさんの積極的な活動やチャレンジを応援します!

初めての事にチャレンジしたり、慣れないところに行ったりすると緊張して調子を崩すことは、誰だってあります。
地域での活動には、さまざまな危険が潜んでいます。
でも失敗を恐れずに一歩を踏み出してください。

当社では、24時間補償の知的障がいのある方専用の保険をご用意しております。
物損やおケガ等がご心配な方は、経験豊富なスタッフにお気軽にご相談ください。

 

 

執筆者プロフィール

福祉営業部 カサモトアサミ
庭になったベリーや買ってきた梅をシロップ漬けにして楽しんでいます。
12年飼っている愛犬がいつまでも懐かないのが悩みです。

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