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外国人材なしでは回らない介護現場ー 2026年、制度転換期のいま
2026.06.10
暮らしと防災
近年、世界各地、日本国内でも移民・難民の受け入れをめぐる議論が高まり、私たちの街でも、様々な国籍の方々を目にすることで、その存在は当たり前になっています。
ただし、労働力不足を背景に移民を積極的に受け入れる国がある一方で、地域社会になじむ難しさや文化の違いによるすれ違いを理由に、慎重な姿勢を強める国も少なくはありません。
日本も例外ではなく、人口減少が加速する中で「どのように外国人材と共に社会をつくるか」が避けて通れない課題となっていると言えるでしょう。

その中でも、外国人材への依存度が高まり、大きな転換点に立っていると言われるのが介護分野です。
2024年に決まった制度改正により、長年続いた「外国人技能実習制度」は2027年に廃止され、「育成就労制度」へと生まれ変わります。
技能実習から育成就労へ
技能実習制度は、建前としては「技能移転のための国際貢献」を掲げていましたが、実態としては人手不足を補う労働力としての側面が強かったため、制度の目的と現場の実情が一致しないという課題が長年指摘されてきました。
新制度の「育成就労」は、より現実に即した形で、3年以内に特定技能レベルの人材を育てることを目的に据えています。
また、入国前の日本語力要件が明確化され、1年目と3年目に技能評価試験が導入されるなど、育成プロセスが体系化されました。
さらに特に大きな変化は、転籍(職場変更)が可能になる点です。
これまで実習生は職場を変えにくく、トラブルの温床にもなっていて、新制度では一定の条件を満たせば転籍が認められ、働く側の選択肢が広がる可能性があります。
これは、外国人材の権利保護と職場環境の改善につながる重要なポイントになりますが、受け入れ側としては、数年で離職されないようにより選ばれる企業にならなければならないという懸念点にもなるでしょう。
介護分野は“最大の受け皿”に
政府は2026年、介護分野で最大16万700人の外国人材を受け入れる方針を示しました。
さらに、製造業や建設業と並ぶ規模で、対人サービス分野としては突出しています。
そして介護は、他業種と比べて日本語力が特に重要視され、利用者との会話、記録業務、家族とのやり取りなど、どれも言葉の壁が仕事の質に直結します。
そのため、育成就労制度でも入国前の日本語力が求められるようになりました。
介護現場では、外国人材が「いなければ回らない」状況がすでに生まれており、制度転換は現場の期待と不安が入り混じるタイミングでもあり、私たちのお客さまにも少しずつその傾向は見え始めています。
増えている国籍はどこか
介護分野で存在感を増しているのは、インドネシア、ミャンマー、ベトナム、フィリピン、ネパールといったアジア諸国です。
とくにインドネシアは、EPA(経済連携協定)で早くから介護人材を送り出してきた歴史があり、日本語教育の基盤が整っています。
国籍ごとに文化背景や価値観が異なるため、受け入れ側の理解と準備がますます重要となります。
他業種との違い──“人と向き合う”難しさ
製造業や飲食料品製造のように、手順がはっきりした分野と比べると、感情理解が大切な介護は性質がまったく異なります。
介護の現場では、
〇利用者の気持ちを読み取る力 ・・・ 言語力を越えた思いを察する支援
〇文化・価値観の違いを理解する姿勢 ・・・ 距離感やケアの価値観の差
〇記録や報告の正確さ ・・・ 専門用語や記録業務の難しさ
といった、対人サービスとしての総合力が求められます。
そのため、外国人材の育成には時間も手間もかかるが、長期的に働いてもらえるほど戦力になる分野でもあります。
2026年のいま、介護現場は制度の過渡期にありますが、制度がどう変わろうとも、利用者の生活を支えるという介護の本質は変わりません。
その現場を支える日本人材はもとより、外国人材も、安心して働き、成長し、長く活躍できる環境づくりこそが、これからの日本の介護を左右していくでしょう。

この変化は、介護現場は“外国人材なしでは回らない”という現実と向き合いながら、単なる制度名の変更ではなく、日本の介護を支える“人材”そのものを生み出す試みとなるのでしょうか。
参考:内閣府 2026 「特定技能制度の受入れ見込み数」https://www.moj.go.jp/isa/content/001452589.pdf
筆者プロフィール
カツマタ
丸4年がたった保護猫君も、いつの間にか家族全員を支配している感じが・・・

