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福祉施設の活動紹介
【東海北陸】福祉施設の活動紹介 Vol.10
2025.11.01
Vol.10 特定非営利活動法人 クラシーズ 様
今回は、「特定非営利活動法人クラシーズ」さんが運営する「Caféアンシャンテ」をご紹介いたします。
Caféアンシャンテは、富山県中新川郡立山町にある特定非営利活動法人クラシーズさんの敷地内に今年オープンしました。

「特定非営利活動法人クラシーズ」さん、そして「Caféアンシャンテ」の立ち上げの経緯について理事長の中島代志美様にお話しいただきました。
中島理事長は約40年間、特別支援学校と公立学校の特別支援学級でご勤務をされていました。
特別支援学校にご勤務時、生徒さんの就職先探しに奮闘されていたところ、とある工場の社長さんが自閉症の生徒さんの実習を受け入れてくださいました。
できることは限られているものの、時間の経過とともに信頼関係が生まれ、生徒さんの雇用を決心してくださいました。
しかし、生徒さんが就職するにあたり、もともといた社員の方数名が退職をされてしまいました。社長さんはこのような反発はあることを承知の上で雇用を決断してくださったそうです。中島理事長はその時に、障がいのある方が一般社会と交わることがいかに大変なことなのかと痛感されたそうです。
その後、公立学校の特別支援学級に異動された中島理事長は、特別支援学級の生徒さん達と毎年様々なことにチャレンジをされてきました。
例えば、クラスメイト4名全員が何らかの事情で人前に出ることを苦手としていた学級の担任をされていた際に、校内の反対もありながら、クラス全員で合唱コンクールに出場することを決意されました。中島理事長はかけ合いのできる歌を選び、全校生徒にも協力を依頼し音楽の時間に練習してもらったそうです。
「みんなステージに立つことができるかな、歌うことができるかな」と心配を抱えながら迎えた当日、特別支援学級の一人の子が歌い始めた時、全校生徒とかけ合いが始まり徐々に大合唱となり、感動の声が多く寄せられたそうです。
障がいのある方と子供の頃から共に過ごし、喜びや悲しみを分かち合い、一緒に歌ったり走ったりという経験を重ねていくことで障がいへの理解が深まり、同じ地域社会でともに暮らしていくきっかけになるのではと、中島理事長はお話しくださいました。
「障がいのある方が、多くの方と出会える場所を作りたい」という思いが特定非営利活動法人クラシーズ様、そしてcaféアンシャンテの立ち上げに繋がっています。
「アンシャンテ」はフランス語で「はじめまして」という意味で、たくさんのお客様と笑顔で交流できる場所になりますように、という思いが込められています。
外観や内装もとても可愛らしく温かい雰囲気で、カフェに入ると職員様が温かく出迎えてくださいます。
中島理事長の「多種多様な方が訪れて欲しい」という思いから、店内には色んな動物の飾りがあちこちに設置されていてとても賑やかで楽しい店内となっています。

現在は、米粉ピザとチキンオーバーライスのランチメニュー2種類と、ドリンクメニューとスイーツメニューが豊富に用意されています。
こだわりはなんといっても、クラシーズさんの農園で栽培されている無農薬の色鮮やかな野菜をサラダやスープにふんだんに使用している点です。他にも立山町白雪農園さんの自然農法で栽培された米粉をピザやスイーツに使用し、グルテンフリーにもこだわられており、体にも目にも嬉しいメニューとなっています。
利用者さんは、配膳やお客様との会話などとても楽しく働かれていらっしゃるのが印象的でした。

今回は米粉ピザをいただきましたが、米粉の風味が薫る生地とソーセージ、チーズの相性が抜群によく、あっという間にぺろりと完食してしまいました。
地域の方や声をかけてお知り合いの方が多く来店される他、インスタでの宣伝にも力を入れていらっしゃいます。Caféアンシャンテを起点に人とのつながりを広げていきたいとお話しくださいました。
ぜひ、みなさまも「Caféアンシャンテ」へお越しください!
富山県中新川郡立山町道源寺851
OPEN:水・木・金【11時~15時30分】
